川崎市営霊園は、市が直接管理・運営する公営墓地で、代表的なものに緑ヶ丘霊園(高津区)と早野聖地公園(麻生区)の2ヵ所があります。どちらも川崎市が設置・維持管理を行っており、民営霊園と比べて永代使用料が安く、宗派にとらわれず利用できるのが特徴です。
緑ヶ丘霊園は昭和18年に開設された歴史ある市営墓地で、総区画数は2.5万区画以上にのぼります。園内には数百本の桜が植えられており、春には花見の名所としても知られています。
アクセスはJR南武線「津田山駅」から徒歩5分と交通の便にも恵まれ、車の場合は第三京浜道路「京浜川崎IC」より約10分。自然環境と利便性を兼ね備えた市内有数の公営霊園といえます。
永代使用料の目安は、1㎡あたり約250,000円、4㎡で約100万円前後、6㎡で約150万円前後(管理費別)とされています。市営ならではのリーズナブルな価格帯が魅力ですが、募集区画は限られており、倍率が高くなる傾向があります。
早野聖地公園は昭和54に開設された川崎市営第2の霊園で、自然豊かな多摩丘陵に位置しています。墓所は約13,000区画あり、芝生墓所・壁面墓所・集合個別型墓所など多様な形式が整備されています。また、バリアフリー設計が採用されているため、高齢者や車椅子利用者でも安心してお参りできるのが特徴です。
最寄り駅は東急田園都市線「あざみ野駅」または小田急線「新百合ヶ丘駅」で、そこからバス「虹が丘小学校」下車で徒歩9分と比較的アクセスしやすい立地となっています。
使用料は墓所の形態によって異なりますが、一般墓所であれば660,000万円/4㎡(管理費別)のほか、壁面型(1,403,000円 ※管理費別)や芝生型(1,304,000円 ※管理費別)といった選択肢があり、利用者のライフスタイルや希望に合わせて選べる点が魅力です。民営霊園と比較すると維持費や初期費用が抑えられるため、コスト面でも安心です。
川崎市営霊園のメリットは、費用の安さと宗教的制約の少なさにあります。市が運営するため破綻リスクが低く、長期にわたって安定して利用できる点も安心材料です。一方で、毎年の募集は抽選制であり、倍率20倍に達することもあります。そのため「必ず当選する」とは限らず、民営霊園も並行して検討するのが現実的といえるでしょう。
最も基本的な条件は、川崎市に一定期間居住していることです。単に「合計で何年住んでいるか」ではなく、「基準日(通常7月1日)から遡って、1日も欠かさず継続して川崎市に住民登録があること」が厳格に審査されます。
具体的な必要居住期間は、申込区分によって以下のように分かれています。
過去に川崎市内で転居を繰り返している場合は問題ありませんが、注意が必要なのは「一時的に市外へ住民票を出していた」ケースです。
■ 失敗事例の解説
川崎市に10年以上住んでいたが、2年前に数ヶ月間だけ仕事の都合で市外(横浜市や東京都など)に住民票を移し、その後また川崎市に戻ってきた場合、以前の10年間はカウントされません。審査では「再転入した日から」の計算(リセット)となるため、居住期間不足で失格となってしまいます。
たとえ短期間であっても、一度でも市外へ転出した履歴があると「継続」とはみなされません。この条件を証明するために、住民票(世帯全員・本籍地記載あり)の提出が必要です。転居歴が多い方は、現在の住民票だけでなく「戸籍の附票」などで居住期間の連続性を事前にセルフチェックしておくことが、不意の失格を防ぐための最も重要な対策となります。
川崎市営霊園では、一世帯につき一つの墓所しか取得できないルールが設けられています。すでに緑ヶ丘霊園や早野聖地公園で墓地を取得している場合、新たに申し込むことはできません。
これは墓所の公平な配分を目的としており、同じ世帯や親族が複数区画を占有することを防ぐための措置です。過去に申し込んで落選した場合は再度応募できますが、当選して契約済みの場合は再応募はできない点に注意してください。
川崎市営霊園に申し込めるのは、申込者が「祭祀を主宰する立場」であることが条件です。つまり、亡くなった方のお墓を管理し、供養を主に担う人物である必要があります。また、遺骨を持っている場合には、故人との親族関係を証明するために戸籍謄本が必要になることがあります。これは「申込者が祭祀を継承する立場にある」ということを証明するためです。
合葬型墓所や生前申込みなど区分によっても条件が異なり、例えば生前申込みの場合には「申込者本人が川崎市に居住していること」が必須となります。 このように細かな条件は募集年度ごとに変更される場合もあるため、必ず募集要項を確認することが大切です(募集要項PDF:https://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/0000170/170165/siori.pdf)。
川崎市営霊園の募集は例年秋に実施されます。おおむね10月下旬から11月末にかけて申し込みを受け付け、翌年1月に抽選会、4月から墓所の使用が開始される流れとなっています。
例えば令和6年度の募集では、受付期間は令和6年11月1日〜11月30日、抽選日は令和7年1月9日、使用開始日は令和7年4月1日と発表されています。
このように日程は毎年ほぼ固定されているため、応募を検討している方は早めにスケジュールを確認し、準備を進めておくことが大切です。
申し込みには、川崎市が配布する「募集のしおり」に同封された申込書と、住民票・戸籍謄本などの証明書類が必要となります。募集のしおりは川崎市の公式サイトや区役所、霊園の管理事務所などで配布されます。
書類の提出は、指定の封筒に入れて郵送する形式で行われます。窓口での受付は一切行われていないため、郵送以外の提出は認められません。
また、書類の記入漏れや証明書類の有効期限切れは無効になる可能性があるため、募集開始前から準備を整えておくと安心です。
申し込み多数の場合、川崎市営霊園の利用者は公開抽選によって決定されます。抽選は川崎市が指定する会場で実施され、申込者や一般の人も傍聴可能です。
当選者には通知が送付され、指定された期限内に契約手続きを行い、永代使用料を納付する必要があります。期限内に手続きを行わなかった場合、当選は無効となり次点の補欠当選者に権利が移るケースもあります。
その後、使用許可証が発行され、4月1日から墓地の利用を開始できます。墓石の設置や年間管理料の納付も当選後の大切なステップになります。
川崎市営霊園の募集は年に一度しか行われません。申し込みから実際にお墓を使用できるようになるまでには、約半年から一年の期間を要します。ここでは例年の流れをステップ形式で解説しますので、「今から準備して間に合うか」の目安にしてください。
例年、初夏から夏にかけて「募集のしおり(申込書)」の配布が開始されます。各区役所や支所、霊園事務所などで入手できるほか、川崎市のホームページからダウンロードすることも可能です。まずはこの時期に、最新の申込資格を満たしているかを確認しましょう。
7月の約1ヶ月間が申し込みの受付期間となります。川崎市営霊園の申し込みは「郵送」が原則です。窓口での受け付けは行われないため、書類の不備がないよう余裕を持って投函する必要があります。
申し込み多数の場合、10月頃に公開抽選が行われます。抽選結果は後日郵送で通知されます。当選した場合、ここから正式な書類審査や永代使用料の支払いなど、契約手続きへと進みます。
当選後の契約手続きと使用料の納入確認を経て、翌年の1月頃に使用許可証が交付され、墓所の利用が可能になります。
※年度や区画の種類(合葬型など)によっては、使用開始時期が4月からとなるケースもあるため、募集要項のスケジュールを必ずご確認ください。
川崎市営霊園は募集時期が限られているため、タイミングを逃すと次のチャンスは丸一年後となってしまいます。
「一周忌までに納骨を済ませたい」といったお急ぎの場合や、抽選を待たずに確実にお墓を確保したい方は、募集時期に関わらずいつでも見学・契約ができる民間霊園を並行して検討することをお勧めいたします。
川崎市営霊園に申し込む際には、必要書類を揃えて指定封筒で郵送する必要があります。書類に不備があると抽選の対象外となるため、正確に準備することが大切です。
申込内容によっては、さらに追加の書類が求められることがあります。例えば、
・本人確認書類(運転免許証や健康保険証など、生前申込みの場合)
・埋火葬許可証(すでに遺骨を持っている場合)
・代理人による申込みの場合は、委任状や代理人の身分証明書
などが挙げられます。募集要項ごとに細かく条件が異なるため、必ず最新の案内をチェックすることが重要です。
川崎市営霊園に当選した後は、正式に墓地を使用開始するための手続きが必要です。契約から費用の支払い、墓石の設置まで、決められた流れに沿って進めなければなりません。
当選すると、川崎市から通知が送付されます。通知には契約手続きの期限が明記されており、この期限を過ぎると当選が無効になるため注意が必要です。例えば令和6年度の募集では、抽選が令和7年1月9日に行われ、当選者はその後約1か月以内に契約を完了する必要がありました。
契約時には使用許可の申請を行い、必要書類を再度確認のうえで提出します。この段階で不備があると使用が認められないこともあるため、提出前のチェックが欠かせません。
契約手続きと並行して、永代使用料の納付を行います。永代使用料は区画の広さによって異なり、緑ヶ丘霊園の場合、1㎡あたり約25万円、4㎡で約100万円、6㎡で約150万円前後が目安です。
納付は川崎市の指定口座への振込が一般的で、期限内に支払わないと当選が取り消される場合があります。また、永代使用料のほかに年間管理料も必要で、墓所の区画や形式により金額が異なります。
支払いは一括納付が原則で、分割払いは認められていないため、事前に資金計画を立てておくことが重要です。
永代使用料を納付し、使用許可が下りた後は、墓石を設置することができます。川崎市営霊園では指定石材店制度はなく、利用者が自由に石材店を選んで建墓を依頼できます。ただし、設計や施工については川崎市の基準に従う必要があり、高さや構造に制限が設けられています。
また、年間管理費の納付も必要です。管理費は区画の種類や広さによって異なり、緑ヶ丘霊園や早野聖地公園の一般墓であれば年間数千円〜1万円程度が相場です。管理費は毎年納付する必要があり、滞納すると使用権を失う恐れもあるため、忘れずに支払いを続けることが大切です。
川崎市営霊園は人気が非常に高く、毎年の募集では多くの応募者が集まります。そのため当選するのは決して簡単ではなく、また書類不備によって抽選対象外となるリスクもあります。ここでは倍率や書類の注意点、落選時の対応など、申し込み時に知っておきたい対策をまとめました。
川崎市営霊園の抽選倍率は年度によって異なりますが、10倍〜20倍前後になることもあり、希望する区画に当選できる確率は決して高くありません。例えば緑ヶ丘霊園では、令和5年度の一般墓所の一部区画で20倍近い倍率が記録されています。
倍率が高いことを踏まえると、「市営霊園一本に絞らない」という戦略が大切です。つまり、市営霊園と並行して民営霊園や寺院墓地なども候補に入れて検討することで、「外れてもすぐ動ける」状態を作っておくのが現実的です。
市営霊園の申し込みで意外に多いのが、書類不備による無効です。川崎市公式ページ(※1)や募集要項PDF(※2)でも、提出前の確認を強く呼びかけています。具体的な注意点は以下の通りです。
些細な不備でも抽選対象から外されてしまうため、申込期間が始まる前に必要書類を揃え、締切直前ではなく余裕を持って投函するのがおすすめです。
川崎市営霊園の募集は毎年行われるため、落選しても翌年度以降に再応募することが可能です。過去に落選したこと自体が次回の応募資格に影響することはありません。 ただし、募集区画数や条件は年度ごとに変更される場合があります。特に合葬型や芝生型墓所の取り扱いは年度によって募集数が変動するため、常に最新の募集要項を確認しておく必要があります。
また、再応募を前提とするなら、外れた場合に備えて民営霊園や納骨堂を見学しておくのも賢い方法です。これにより、当選結果に左右されずに安心して供養の準備を進めることができます。
川崎市営霊園の抽選は、希望する「墓所の種類」と「申込区分」によって、当選確率が劇的に変わります。令和7年度(2025年度)の最新データを見ると、「遺骨の有無」によって倍率が10倍以上変動している実態が明らかになりました。
すでに遺骨をお手元に持っている、あるいは改葬(お墓の引っ越し)を検討している「遺骨あり」区分は、非常に狙い目です。
一方で、生前申し込みにあたる「遺骨なし」区分は、毎年非常に高い倍率を記録しています。
分析結果から言えることは、「何が何でも市営が良い」という方は、希望の形態を再検討すべきという点です。例えば、緑ヶ丘霊園の一般墓地(遺骨なし)は例年60倍を超えるほどの超高倍率になることがありますが、早野聖地公園の特定区画や一般墓所であれば、数倍程度まで確率を上げることが可能です。
特に「一般墓所(4㎡)」の遺骨なし区分は、70歳未満でも6.67倍、70歳以上なら2.88倍と比較的現実的な数字です。人気の壁面型や芝生型にこだわらず、「当選確率の高い一般墓所」を第1希望に据えるのが、市営霊園を確実に射止めるための賢い選択と言えるでしょう。
A:区分によりますが可能です。ただし倍率が非常に高くなる点に注意が必要です。
川崎市営霊園では「遺骨なし(生前)」の区分が設けられており、将来に備えてお墓を確保できます。しかし、令和7年度の実績では芝生型墓所で31.50倍に達するなど、遺骨がある場合に比べて格段に当選が難しくなっています。確実性を重視する場合は、生前契約が可能な民間霊園との併用検討をおすすめします。
A:原則として、申込者本人が川崎市民でない限り申し込めません。
市営霊園の基本条件は、申込者が川崎市内に一定期間(1年または5年以上)居住していることです。たとえ「埋葬したい故人」が市民であったとしても、お墓を管理する「申込者」が市外在住の場合は資格対象外となります。まずは住民票の登録状況を確認しましょう。
A:永代使用料(土地代)とは別に、100万円〜200万円程度が相場です。
市に支払う永代使用料は、緑ヶ丘霊園で4㎡あたり約100万円前後ですが、これはあくまで「土地を借りる権利」の費用です。実際にお墓として完成させるには、石材店へ依頼する「墓石代・据付工事費」が別途必要になります。石の種類やデザインによって総額は大きく変動します。
A:残念ながら、過去の落選回数による優先当選枠や優遇制度はありません。
川崎市営霊園の抽選は、毎年度フラットな状態で行われる公開抽選です。過去に何度落選していても当選確率が上がることはないため、落選が続いている方は、募集時期を待たずに取得できる民間霊園への切り替えを検討するタイミングかもしれません。
A:使用許可を得た後であれば、市外へ転出しても継続して使用可能です。
当選して使用許可証が交付された後に、転勤などで市外へ住民票を移してもお墓を返す必要はありません。ただし、住所変更の手続き(届出)は必須となります。また、将来お墓を継承する方(祭祀承継者)が市外の方であっても、手続きを行うことで引き継ぐことが可能です。
川崎市営霊園は費用の安さや市の管理による安心感が魅力ですが、毎年倍率が高く必ず当選できるとは限りません。確実にお墓を持ちたい方は、市営霊園だけに絞らず、民営霊園もあわせて検討することが大切です。
大切な家族にふさわしいお墓とは何か――その答えは費用だけでなく、供養のかたち、立地の通いやすさ、将来的な安心感など、複数の視点から考える必要があります。
そこで本サイトでは、管理や承継の負担が少なく、墓じまいの心配を軽減できる選択肢として、川崎市の3つの霊園を紹介します。想いに寄り添いながら、納得のいくお墓選びの参考にしていただければ幸いです。
| アクセス | 小田急多摩線「栗平駅」より徒歩9分 |
|---|---|
| お墓の種類 | 永代供養墓 |
| 費用目安(※2) | 998,900円~(税込) 納骨数制限なし |
| アクセス | 東海道本線・南武線「川崎駅」より徒歩9分 |
|---|---|
| お墓の種類 | 納骨堂 |
| 費用目安(※3) | 600,000円~(税不明) 1体 |
| アクセス | 小田急電鉄小田原線「百合ヶ丘駅」より徒歩12分 |
|---|---|
| お墓の種類 | 樹木葬 |
| 費用目安(※5) | 250,000円~(税不明) 3体 |